2025年春のダイヤ改正にて、石北本線の特急「大雪」が廃止され、特急料金不要の快速列車に変更されることになりました。
(初回投稿:2025年2月2日)

2025年春のダイヤ改正で石北方面特急に起こる変化
2025年3月15日のダイヤ改正にて、石北本線の特急「大雪」が廃止されて快速列車に変更されます。
「大雪」という名称は、快速列車に引き継がれて今後も使用されますが、特急列車としての運転は終了となります。
2年前の2023年春のダイヤ改正では使用車両がオンボロのキハ183系からキハ283系に変更されるという明るいニュースのあった石北本線ですが、特急列車が1日2往復のみという寂しい状態になります。
↓2023年3月にバトンタッチしたキハ183系とキハ283系。
(2017年11月、2025年1月 いずれも@網走駅)
石北本線 特急列車の歴史
石北本線を走る特急列車のダイヤの基礎となるのは、1987年の国鉄分割民営化(JR北海道発足)および1988年に青函トンネル開通した頃のものと考えられます。その頃の特急列車は、
・1988年3月改正ダイヤ
札幌~網走 特急「オホーツク」4往復
札幌~網走 (夜行)急行「大雪」1往復
という形で運転されていました。
「大雪」という名称は、1950年台という古くから石北本線の急行列車として使用されてきたもので、1992年に特急「オホーツク」に格上げ(統合)されるまで長らく活躍してきました。
・1992年3月改正ダイヤ
札幌~網走 特急「オホーツク」5往復
(うち1往復:9号、10号 は夜行列車)
というシンプルな設定となってからは、2006年3月に夜行の1往復が廃止されてしまったものの、石北本線の昼行特急は「オホーツク」が4往復という形が長く続くこととなりました。
↓網走駅に展示されていた歴代ヘッドマーク
※「おおとり」は1988年まで函館~網走を結んでいた列車名。
1992年時点で使用されていたのは「スラントノーズ」と呼ばれる特徴的な先頭形状をもつ初期型の車両で、老朽化が進行していたことからインターネット上では「特急なのに鈍足のノローツク」「車両が古くてボローツク」などと揶揄されていました。
↓スラントノーズ車
(とかち号代走:2012年9月@帯広駅、臨時北斗号:2018年2月@洞爺駅)
2009年頃からは特急「とかち」(札幌~帯広)から退いた比較的新しいキハ183系に置き換えましたが、キハ261系などの新型車両が投入されることはありませんでした。
↓元「とかち」用のキハ183系に置換え後(2011年11月@網走駅)
これが大きく変わったのは2017年3月ダイヤ改正で、4往復設定されていた特急「オホーツク」のうち2往復は旭川~網走に運転区間が短縮されて名称も「大雪」に変更されることとなりました。
・2017年3月改正ダイヤ
札幌~網走 特急「オホーツク」2往復
旭川~網走 特急「大雪」2往復
かつて特急「オホーツク」を補完する役目を担っていた「大雪」が、再び石北本線に復活した形となりました。
特急「オホーツク」の札幌乗り入れが4往復から2往復に減ってしまったのは利用の低迷のため…というわけではなく、当時使用していたキハ183系の老朽化対策が大きな理由でした。
2016年3月に北海道新幹線(新青森~新函館北斗)が開業したのち、
・特急「スーパー白鳥」(青森~函館)で使用していた789系を特急「ライラック」(札幌~旭川)に転用することで札幌~旭川の輸送力を確保できる
・石北本線を走るキハ183系の走行距離をなるべく少なくして、キハ183系を延命したい
といった事情のもと生まれたのが、旭川~網走の区間運転となる特急「大雪」でした。
旭川で分断運転となったことから、札幌方面からは特急「ライラック」を利用して、旭川駅で同じホームで対面接続をとるという形になりました。
鉄道趣味者からすると特急列車が2本並ぶ(時間帯によっては、上り・下りで最大4本並ぶ!)というのは見ていて楽しいものですが、不慣れな利用者にとっては分かりづらくなってあまり評判は良くなかったようです。
↓旭川駅で接続する「大雪」と「ライラック」(2017年11月、2025年1月)
↓タイミングが合うと、宗谷本線「サロベツ」も並ぶ(2017年11月、2025年1月)
そして2018年3月には特急「北斗」(函館~札幌)で使用されていたキハ183系が転用されて、ハイデッカーグリーン車が連結されるようになりました。この時点でキハ183系が定期運用されているのは石北本線の特急「オホーツク」「大雪」のみという、最後の牙城となりました。
↓ハイデッカーグリーン車を組み込んだ元「北斗」編成に置換え後(2022年1月@遠軽駅)
2020年以降は多目的車両であるキハ261系5000番台「ラベンダー編成・はまなす編成」が特急「オホーツク」「大雪」に使用されたり、2023年3月には使用車両がキハ283系に置き換えられるなど テコ入れ も図られてきました。
↓特急「大雪」とキハ283系の組合せはわずか2年の期間限定。
しかし、新型コロナウイルス感染症の影響による利用低迷により特急「大雪」が閑散期の火・水・木曜に運休になるなど不穏な動きがみられ、ついに2025年3月のダイヤ改正にて特急「大雪」が廃止されて快速列車に格下げされることとなりました。
・2025年3月改正ダイヤ
札幌~網走 特急「オホーツク」2往復
特急「大雪」は2025年3月14日まで。運転時刻は?
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