JR東海では「津・伊勢市・恵那」の3駅のみ常備軟券(乗車券)の取扱いがあります。
標準化を推進しているJR東海において常備軟券が残っていること自体にも驚きですが、それもたった3駅だけ残しているというのが不思議なところです。
津、伊勢市は近鉄との共同使用駅であり、2か所ある改札の片方がJR管理、もう片方が近鉄管理となっています。JR管理の改札側には近鉄の一般券売機、特急券売機、出札窓口がありますが、近鉄管理の改札にはJRの券売機などがなく、近鉄の出札窓口にてJRの常備軟券を発売しています。
桑名もJRと近鉄の共同使用駅ですが、改札は橋上に1か所のみとなっていて、常備軟券の取扱いはありません。
さらに松阪もJRと近鉄の共同使用駅ですが、近鉄管理の北口改札にもJR近距離券売機があるため、常備軟券の取扱いはありません。
さらにさらに鳥羽もJRと近鉄の構内に乗換通路がありましたが、もともとこのテの取扱いはなく、2020年3月のダイヤ改正時にJR鳥羽駅が無人化されるとともに連絡通路が廃止され、それぞれ単独の駅となりました。
津駅
津駅は1番線が伊勢鉄道(JR)、2~4番線がJR、5~6番線が近鉄で、東口はJRが管理、西口は近鉄が管理しています。
JR常備軟券は近鉄管理の西口の出札窓口にて発売しています。
多数の利用があるならば近鉄の券売機に口座設定、ごく少数ならば乗車駅証明書で…となりそうなので、なんともいえない需要が存在するのでしょうか。
津から松阪まで快速みえを利用したところ車内改札がありましたが、車掌氏は見慣れているのか「ハイ、松阪までですね、ありがとうございます」とふつうの反応でしたw
伊勢市駅
伊勢市駅は1~3番線がJR、4~5番線が近鉄で、南側の改札はJRが管理、北側(5番線直結)の改札は近鉄が管理しています。近鉄の下り特急が5番線に到着すると「伊勢神宮参拝のお客様は橋を渡ってJR側の改札へ」と繰り返し放送が入ります。
JR常備軟券は近鉄管理の北側(5番線直結)改札わきの出札窓口にて発売しています。
こちらも地元住民によるある程度の需要があるということでしょうか。
↑JRホームと近鉄ホームはつながっていますが、少し離れています。
伊勢市から快速みえを利用し、鳥羽駅改札にて持帰りを希望しよう…と計画していたところ、ナント2020年3月のダイヤ改正にてJR鳥羽駅が無人駅になり、車掌が集札する扱いに変更となっていました。
車掌氏に「持帰りたかったのですが、、」と申し出たところ、明らかに収集趣味のために買ったものと見抜いて頂けたのか「そのままどうぞ」となりました。
恵那駅
恵那駅はJR中央本線と明知鉄道の駅ですが、上記の共同使用駅のように自由にJR側と明知鉄道側を行き来できるわけではありません。
JRの常備軟券は明知鉄道の有人乗換改札にて発売しており、明知鉄道の現金精算+この先のJR乗車券を購入という利用を想定しての取扱いとなっています。経緯は不明ですが、もともと明知鉄道は国鉄の路線であったことから…ということなのでしょうか。
中津川以南はTOICAエリアということもあり、あえて常備軟券など発売せず「明知鉄道の改札を一旦出てJRの改札からどうぞ」としたほうが良さそう(かつJR東海の好みに合いそうw)なものですが。
↑乗換改札口での発売ということで、入鋏した状態で渡されます。
190円区間は恵那の隣の武並または美濃坂本までですが、あまり需要がないのか「平成」を二重線で取り消したものが発行されました。