新型コロナウイルスの感染拡大や数度の緊急事態宣言を経て、多くの企業でテレワーク(在宅勤務)を推進しています。
これまで当たり前に購入してきた「定期券」のモトがとれなくなり、購入を迷うかたも多いのではないでしょうか?
本記事では定期券を買わないデメリットや問題点についてまとめています。
(最終更新:2021年3月31日,初回投稿:2020年3月28日)
皆さんはこれまでに「定期のモトが取れているか」を考えたことはありますでしょうか?
鉄道会社によって定期券の値段設定に差がありますが、概ね月の半数以上往復するのであればモトがとれるようになっています。
定期券というものは、乗るか乗らないかに関わらず「〇ヵ月間の長期契約」を結ぶものなので、モトがとれないならば定期を買わずに都度利用(SuicaやPASMOでふつうに利用)したほうが節約になります。
でも、定期券代って会社から支給されてますよね?
勝手に買わなくても良いものなのでしょうか?
定期を「買わない」のはイケナイことか
まず、定期のモトが取れていないからといって個人の判断で買わなくても良いとは限らないという点に注意する必要があります。
定期代は会社から「通勤手当」という形で給料と一緒に渡されますが、この通勤手当は福利厚生の一種として、通勤のために発生する実費を弁済する位置づけで支給されています。
支給された通勤手当を「社員の裁量で好きに使って良い」なのか「計算経路どおりの定期券を買わなければならない」のか等は、会社の規程で定められています。
会社によって通勤手当を「①通勤手当は会社が”与えたもの”なので、定期を買おうが買うまいが自由」ととらえる場合と、「②通勤手当は”定期券代の実費弁済”なので、定期券を買わないのは規程違反」とする場合があります。
①の場合は個人の判断で定期券を購入しなかったり、最短経路とは別の方法で通勤していても、会社から咎められることはありません。
ただし、通勤中に何らかの事故に遭った際に労災として認定されなくなったり、浮かせた定期代が脱税状態になったり…といった別の問題が生じる場合があります。
②の場合は通勤手当の不正受給となり、発覚時には手当の返還を求められるほか、悪質な場合は処分の対象となることもあります。さらに、通勤手当は”非課税”ですので、高額な通勤手当を受給しておきながら通勤の用途に支出していなかったとなると、いわゆる脱税に当たります。
さて、テレワークの拡大に伴い、通勤手当の位置付けや規程を改定し、実費精算(=乗ったら乗った分だけ会社が負担)とする企業も出始めています。
定期券の損得計算をして、損するので買わない…!と決心する前に、上記のような問題点を知った上で、会社の規程を確認することをおすすめします。
定期を買うならば6か月定期券
続いて、定期券を「買う」場合の注意点です。
いずれの鉄道会社でも定期券は1ヵ月、3ヶ月、6ヵ月の3種類が発売されており、「長い期間の定期券を買ったほうがおトク」な設定になっています。
さて、皆さんは
「まとまったお金が無いから…」
「GW明けに辞めちゃうかもしれないから…」
などと言って、1ヵ月定期を買ってはいませんでしょうか?
1ヵ月定期よりも3ヶ月定期、3ヶ月定期よりも6ヵ月定期のほうが”おトク”な値段設定になっているうえ、定期券は途中で解約(払戻し)することもできるので、6ヵ月定期以外のものを購入してはいけません。
ちなみに6ヵ月定期を購入して、初めの2ヵ月だけ使用して払戻す場合は、
[6ヵ月定期代 - 1ヵ月定期代×2 -手数料]
が返金されることになり、数百円の手数料はかかってしまいますが、1ヵ月定期を2回買う場合とほぼ同額の出費となります。
大事なことなので繰り返しますが、定期券を購入するならば、おトクな6ヵ月定期を買ってください。
どのくらいテレワークすると定期券のモトが取れない?
テレワークの実施具合と、月あたりの通勤日数は以下のとおり。
週1回テレワーク:月17.1日通勤
週2回テレワーク:月12.9日通勤
週3回テレワーク:月 8.6日通勤
週4回テレワーク:月 4.3日通勤
一方で定期券のモトが取れるラインはおおむね「月20日通勤」くらいに設定されています。
つまり、週1回でもテレワークをするなら、定期のモトは取れないということになります。
※ただしJR東日本の6ヵ月定期だと月15日通勤くらいでモトを取れる場合があります。
この計算過程は長くなるので別記事にまとめています。
ご興味がありましたら読んでみてください。