JR東海では土曜・休日・年末年始に定められた区間内の普通列車が乗り放題となるフリーきっぷを2種類発売しています。
静岡地区は「休日乗り放題きっぷ」、名古屋飯田地区は「青空フリーパス」という名称で、本稿では「休日乗り放題きっぷ」について紹介します。
休日乗り放題きっぷは土曜・休日・年末年始の1日、2720円でエリア内の普通列車が乗り放題となる、青春18きっぷのミニ版のような企画きっぷです。
青春18きっぷと異なる点として、在来線特急は特急券を別途購入することで利用することが可能です。エリア内の特急は身延線の「(ワイドビュー)ふじかわ」、御殿場線の「ふじさん」が運行されています。
フリーエリアは東海道線の熱海~豊橋、御殿場線の国府津~沼津、身延線の富士~甲府です。
休日乗り放題きっぷの購入方法
事前発売のほか当日購入も可能で、エリア内のきっぷうりば、JR東海ツアーズ等の旅行会社窓口で取扱っています。
また、青空フリーパスのエリア内において「フリー区間入口駅(豊橋駅など)」までの乗車券を同時購入または提示することでも購入可能です。
なお、エリア端となる「国府津駅・甲府駅」はJR東日本が管理する駅のため発売しておらず、「熱海駅」では新幹線乗換口のきっぷうりばに限り発売しています。
国府津駅から利用開始する場合は隣の下曽我駅にて、甲府駅から利用開始する場合は最寄り有人駅の南甲府駅にて購入するか、事前に購入しておく必要があります。
休日乗り放題きっぷの活用方法
JR東海の路線は東海道新幹線(東海道線)を中心として枝線が出る形であるため、ぐるっと周遊して乗り歩くのにはあまり向いていません。
休日乗り放題きっぷのエリアも三叉状に広がっているため、活用方法は
・片道だけ
・単純往復
いずれかとなります。
※
もちろん、「熱海→富士→甲府→富士→豊橋→熱海」と、行ったり来たりしても良いのですが……あまり楽しくなさそうなので、、本稿では割愛します。
さて、休日乗り放題エリア内の普通運賃をまとめると下図のようになります。
単純に東海道線を「熱海→豊橋」と片道利用するだけでも3410円、休日乗り放題きっぷは2720円なので、簡単にモトがとれる設定になっています。
片道利用で最長となるパターンは身延線を利用して「甲府→富士→豊橋」とした場合で、普通運賃は4510円です。
甲府→富士→熱海の場合は普通運賃が2310円となり、モトがとれなくなっています。
往復する場合は片道1360円(概ね営業キロで80km以上)でモトがとれますので、比較的モトをとるハードルは低いきっぷであるといえます。
東京発・オススメ行程
最後に東京発で休日乗り放題きっぷを活用するオススメの行程を紹介します。
行程:(新宿→)甲府→富士(静岡方面)→沼津→松田(→新宿)
※道中の写真は2017年6月または2019年9月に撮影したものです。
最初のエリア端の甲府までは時間と予算次第で、特急あずさ/かいじ、普通列車、高速バスなどを選択ください。
↑バスは片道2200円、バスタ新宿から甲府駅までの所要時間は2時間ほどです。
先に記載のとおり甲府駅では休日乗り放題きっぷを発売していないため、南甲府駅にて購入することになります。
さて、休日乗り放題きっぷは特急列車も利用可能なので、特急券も一緒に購入して特急ふじかわを利用しましょう。特急ふじかわは1号車が指定席、2・3号車が自由席です。
373系はかつて快速ムーンライトながらに使用されていた時期もありましたが、特急車両ということで乗り心地は非常に良いです。
ムーンライトながらについてはこちらから。
富士で東海道線上りに乗換えて復路に入るのも良いですが、せっかく乗り放題なので、静岡方面へ足を延ばしてみるのも良いでしょう。
さらに進んで新所原駅には「駅ナカうなぎ屋」があります。
静岡地区のおいしいうなぎ屋を巡るのも良いですね。
そして復路は単に熱海から東海道線で帰るのではつまらないので、御殿場線で松田まで行き、小田急を利用するのがオススメです。
JR松田駅と小田急新松田駅は隣接しており乗換えがカンタンであるほか、JR松田駅(御殿場線方面)から直通する特急ロマンスカー「ふじさん」も運行されています。
↑2018年3月に「あさぎり」から「ふじさん」に変わりました。
JR松田駅で特急ふじさんといえばこちら。
この行程全体の交通費としては新宿から甲府までバスで2200円、休日乗り放題きっぷが2720円、ふじかわ自由席特急券が1200円、松田から新宿までロマンスカーで1490円ということで、合計7610円となります。