JR松田駅発行の上り「ふじさん」「あさぎり」硬券特急券

特急「ふじさん」(旧称「あさぎり」)は小田急新宿駅とJR御殿場駅を結ぶ特急列車で、新松田駅の手前で短絡線を経由し、御殿場線の松田駅に着発します。

JR東海松田駅にて上り「ふじさん」の特急券を購入すると、発券システムの都合により硬券(料金券)+マルス券(指のみ券)という珍しい組合せでの発行となります。

特急「ふじさん」は2018年3月のダイヤ改正まで特急「あさぎり」として運行されており、本稿では「あさぎり」時代の特急券も含めて紹介します。

なぜ硬券での発行となるのか

「ふじさん(あさぎり)」は小田急~JR東海の相互直通列車であり、小田急側・JR東海側の双方で乗車券や特急券を購入することができますが、松田駅から上り列車(小田急線方面)を利用する場合のみ特殊な取扱いとなります。

ふじさん利用時において…
 ・JR松田駅と小田急新松田駅は運賃計算上は同駅扱い
 ・JR松田→小田急線各駅を利用時は小田急線(社線)完結となる
 ・すなわちJRのマルスでは当該区間の乗車券類を発券できない
…ということで、JR松田駅では上り「ふじさん」の乗車券類が硬券にて発行されます。

マルスで発券できないならば補充券または常備券?と思いきや、硬券での発行となります。

座席指定の管理はマルスでできるため「料金券のみ硬券・指定券はマルス券」というセットで渡されることになり、制度オタ以外の一般旅客には「?」となることでしょうw

※2018年夏頃から乗車券については120mmマルス券での発行に変わりました。

※消費税改定(2019年10月に8%→10%、2014年4月に5%→8%)により運賃・特急料金が改定されましたが、その際に発券に関する大きな変化がなかったので、以下では特に項目分けをしていません。

2018年3月~ ふじさん号

2018年3月のダイヤ改正にて「あさぎり」は「ふじさん」に名称が変わりました。
JR松田駅では引続き上り「ふじさん」の硬券特急券が発行しています。

上りふじさん号の停車駅は御殿場、駿河小山、松田、秦野、本厚木、相模大野、新百合ヶ丘、新宿です。JR松田駅にて発行される上りの特急券としては「秦野、本厚木、相模大野、新百合ヶ丘、新宿」までの5種類となります。

「ふじさん」に変わった後も指定席券については引続き120mmマルス券になります。

2018年夏頃までは乗車券も硬券での発行でしたが、現在は120mmマルス券(自動改札利用不可)での発行となっています。乗車券は硬券発行時代と同じく「新松田→」となっており、社線完結の乗車券として取扱われています。

2019年9月現在ではJR松田から上りふじさんを利用する際はSuica/PASMOを利用可能となっているため、出札窓口では「Suicaかパスモをお持ちならタッチして乗車して頂いたほうが…」と促されました。チャージが少ないので…などと濁しつつ乗車券を購入。

なお松田駅には南口にも切符売場がありますが、こちらは小田急新松田駅からすぐ近くであることもあり、状況によっては「ロマンスカーの切符でしたら小田急のほうで」と促されることもあるようです。

小田急の新松田駅から、JR松田駅北口へは徒歩10分ほどになります。

さて、ふじさん号の指定席はJR東海、小田急それぞれの座席管理システムで枠を持っていますが、今回乗車時は5号車の一部がJR枠になっているようでした。

2013年4月~2018年3月 あさぎり号(指定席JR東海枠)

従来は「あさぎり」号の指定席は全て小田急の座席管理システムにて管理されいましたが、2013年4月より「小田急枠」と「JR枠」が分けられ、JR東海のマルスから直接指定席券を発券できるようになりました。

そのため今回の指定券には小田急システム特有の22ケタの数字は印字されませんでした。
指定席券自体は特殊なものではないので85mm券でも良さそうですが、引続き120mm券です。
乗車券は相変わらず「新松田から」の硬券にて発行でした。


↑いまだMSEに慣れない。そしてイスの座り心地がビミョウ。。

平日のあさぎり6号、松田時点では全体的に乗客はまばら。

本厚木では後方の車両にまとまって乗車がありましたが、その後も6号車の若い番号には全く乗車がなかったので、その一帯が「JR枠」であったようです。

~2013年3月 あさぎり号(指定席小田急枠)

かつては「あさぎり」号の指定席は全て小田急の座席管理システムで管理されており、JR東海の窓口にて特急券を購入する際には「小田急のシステムと接続して確保された指定席券」が発行されていました。

さらに遡ると、JR東日本の駅でも発券可能だった時代があり、JR東日本→JR東海→小田急と問い合わせて座席を確保して手書きで記入していたのだそうで。

そんな面倒な取扱をJRが好むわけもなく、2009年春のダイヤ改正にてはJR東海以外のJRでは「あさぎり」号の特急券を取扱いを終了しています。

さて、松田駅にて上り「あさぎり」の特急券を購入した際は「硬券特急券+85mmマルス券の指定席券」のセットで発行され、指定券(指のみ券)には小田急のシステムから発行されたことを示す「22ケタの数字」が印字されます。

発行場所によって座席が小田急枠、JR枠と分かれているわけではなく、すべての座席が小田急のシステムで管理されているので、1~7号車(※)のどこでも好きな場所を希望して購入することが可能でした。

(※)
2012年3月までは371系・20000形RSEにて運行のため7両編成。
それ以降は60000形MSEにて運行のため6両編成。
また、2012年3月ののダイヤ改正にて町田通過(相模大野停車)に変更となっています。


↑JR松田駅にて。2010年8月撮影。

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