〈通勤定期〉定期券を買わないで通勤しても良い?会社にバレると怒られる?テレワークの場合は?

新型コロナウイルス感染症対策のため、多くの企業でテレワーク(在宅勤務)が推進されるようになりました。

テレワークの拡大により、これまで当たり前に購入してきた「定期券」のモトがとれなくなり、購入を迷うかたも多いのではないでしょうか?

本記事では、定期券を買わないデメリットや問題点についてまとめました。


(最終更新:2023年3月20日,初回投稿:2020年3月28日)

皆さんはこれまでに「定期券のモトが取れているか?」を考えたことはありますでしょうか?

鉄道会社によって定期券の値段設定に差がありますが、およそ月に15~20回程度往復すればモトがとれるようになっています。

定期券というものは、乗るか乗らないかに関わらず「〇ヵ月間の長期契約」を結ぶものなので、モトがとれないならば定期を買わずに都度利用(SuicaやPASMOでふつうに利用)したほうが節約になります。

でも、定期券代って会社から支給されてますよね?

モトがとれるかどうか次第で、勝手に買わなくても良いものなのでしょうか?

定期を「買わない」のはイケナイことか?

まず、定期のモトが取れていないからといって個人の判断で買わなくても良いとは限らないという点に注意する必要があります。

定期代は会社から社員に対して「通勤手当」という形で給料と一緒に支給されますが、国が定める民法や労働基準法において「使用者は労働者に通勤定期代を支給しなければならない」といった決まりはなく、それぞれの会社が福利厚生の一種として、通勤のために発生する費用を補助するものという位置づけになっています。

したがって、会社から支給された通勤手当を「社員の裁量で好きに使って良い」のか「会社に届け出た経路どおりの定期券を買わなければならない」のかは、その会社の福利厚生に関する規程で定められています。

そして会社によって、通勤手当を「①通勤手当は会社が”与えたもの”なので、定期を買おうが買うまいが自由」ととらえる場合と、「②通勤手当は”定期券代の実費弁済”なので、定期券を買わないのは規程違反」とする場合があります。

①の場合は個人の判断で定期券を購入しなかったり、最短経路とは別の方法で通勤していても、会社から咎められることはありません。

ただし、電車通勤として届け出ていたのにマイカーで通勤していて事故に遭った場合等に労災として認定されなくなったり、浮かせた定期代が脱税状態になったり…といった別の問題が生じる場合があります。

②の場合は就業規程違反となり、発覚時には不当に得た通勤手当の返還を求められるほか、処分の対象となることもあります。
さらに、①の場合と同様に浮かせた定期代が脱税状態になるという問題もあります。

ところで、テレワークの拡大に伴い、通勤手当の位置付けや規程を改定し、実費精算(=電車に乗ったら乗った分だけ会社が負担)とする企業も出始めているようです。

勝手に定期券の損得計算をして、損するので買わない…!と決心する前に、上記のような問題点を知った上で、会社の規程を確認することをおすすめします。

定期を買うならば6か月定期券

続いて、定期券を「買う」場合の注意点です。

いずれの鉄道会社でも定期券は1ヵ月、3ヶ月、6ヵ月の3種類が発売されており「長い期間の定期券を買ったほうがおトク」な設定になっています。

読者の皆さんは
今はまとまったお金が無いから…
GW明けに辞めちゃうかもしれないから…
などと言って、1ヵ月定期を買ってはいませんでしょうか?

1ヵ月定期よりも3ヶ月定期のほうがお”トク”、3ヶ月定期よりも6ヵ月定期のほうが”おトク”な値段設定になっているうえ、定期券は途中で解約(払戻し)することもできるので、6ヵ月定期以外のものを購入してはいけません

ちなみに6ヵ月定期を購入して、初めの2ヵ月だけ使用して払戻す場合は、

[6ヵ月定期代 - 1ヵ月定期代×2 -手数料]

が返金されることになり、数百円の手数料はかかってしまいますが、1ヵ月定期を2回買う場合とほぼ同額の出費となります。

大事なことなので繰り返しますが、定期券を購入するならば、おトクな6ヵ月定期を買ってください

どのくらいテレワークすると定期券のモトが取れない?

テレワークの実施具合と、月あたりの通勤日数は以下のとおり。

週1回テレワーク:月17.1日通勤
週2回テレワーク:月12.9日通勤
週3回テレワーク:月 8.6日通勤
週4回テレワーク:月 4.3日通勤

序盤に記載しましたように、鉄道会社によって差はあるものの、定期券のモトが取れるラインはおおむね「月15~20日通勤」くらいに設定されています。

つまり、週1回でもテレワークをするなら、定期のモトは取れないということになります。

この計算過程は長くなるので別記事にまとめています。
ご興味がありましたらご覧ください。

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