〈ANA〉コロナ需要減のため羽田路線にプロペラ機DHC8-Q400を使用(2020年6月)

新型コロナウイルスの影響により、日本国内の航空需要は著しく低迷しています。

5月下旬の緊急事態宣言解除後も、県をまたぐ移動は慎重に行なうよう求められ、観光はもちろんビジネス需要も低迷が続いています。

以前の記事でJALでは小型ジェット機E190を使用していることを紹介しましたが、今回はANAの状況を取り上げます。

ANAでは6/1より羽田発着の一部路線にプロペラ機DHC8-Q400を投入しており、羽田に数年ぶりにプロペラ機がやってくることになりました。

なお、コロナウイルスに関する対応は日々状況の変化があり、実際は下記のとおりに運航されなかった場合があります。

(7/22追記)
ANA公式twitterアカウントの発言によると、GoToトラベルキャンペーン開始前日の7/21をもってプロペラ機DHC8-Q400の羽田発着は終了した模様です。

プロペラ機 DHC8-Q400とは

ボンバルディア製で定員74名のプロペラ機で、通常は中部や伊丹から地方空港への路線で使用されています。


↑DHC8-Q400、ハットラックが小さいため、一部空港には注意の表示があります。


↑通常はジェット機しか発着しない羽田空港にプロペラ機の姿が。

座席配置は2-2、そして何よりプロペラ機ということで、とても小さい印象があります。


↑客席からもプロペラが見えます。

また、ANAのDHC8-Q400はANAウイングスの乗務員によって運航されます。これはJALのE170、E190がJ-AIRの乗務員にて運航されているのと似ている関係性です。


↑JAL(J-AIR)のE170とANAのDHC8-Q400。いずれも定員は70名程度。

羽田発着DHC8-Q400運航便まとめ(6/15~30運航分)

羽田発着のDHC8-Q400使用便は中部、函館、秋田、小松、萩石見の各路線で、日によって他機種での運航となる場合があります。予約画面の使用機材欄が「Q84」となっているものがDHC8-Q400にて運航される便です。

羽田18:00-19:05中部 ANA085
 中部07:30-08:45羽田 ANA086

羽田09:55-11:30函館 ANA553
 函館12:00-13:45羽田 ANA554

羽田14:05-15:20秋田 ANA405
 秋田15:55-17:15羽田 ANA408

羽田17:05-18:15小松 ANA755
 小松18:50-20:10羽田 ANA758

羽田08:40-10:35萩石見 ANA725
 萩石見11:05-12:55羽田 ANA726

(参考)
・6/1~14 ※函館、小松線はANA全便運休
羽田-中部 ANA085,086
羽田-萩石見 ANA725,726
羽田-高知 ANA561,565,564,568

(7/1追記)
7月に入ってからも、羽田-中部・函館・秋田・小松・萩石見・高知の一部の便でDHC8-Q400が使用されました。

ジェット機ではなくプロペラ機が投入される理由

JALグループにはエンブラエル製のE170は約70名、E190は約90名と、定員100名未満のジェット機が所属していますが、ANAにはそこまで小型の機材がありません。

大きく需要が低迷するなかで、すこしでも小さい機材で飛ばすために、プロペラ機DHC8-Q400の出番となった模様です。

一方JALは、小型ジェット機E190を投入しました。

こちらの記事において、
・巡航速度に差があるため、プロペラ機を使用するとダイヤを守れない
・巡航高度が低いため、通常飛ばない路線に投入すると管制上の不都合
という2点から、ジェット機で設定されていた便をプロペラ機に変更することは無いだろう…としていました。


↑DHC8-Q400(Q84)の日は5分長くかかる

やはり速度差によって、プロペラ機DHC8-Q400を使用する便は通常よりも所要時間が延びており、日ごとに機材運用を定めて申請しているようです。

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