【E4系引退】オール2階建て新幹線「Max」が定期運用を終了(2021年10月)

上越新幹線で活躍していたオール2階建て新幹線”E4系 Max”が2021年10月1日をもって定期運行から退きました。

E4系の登場から引退までをまとめました。


(初回投稿:2021年5月18日 最終更新:2021年10月2日)

E4系Maxは2021年春のダイヤ改正にて定期運行から退くことが事前に発表されていましたが、2019年10月の台風10号の際にE7系が被災し車両が不足した関係で、E4系の引退時期が2021年秋に後ろ倒しとなっていました。

そして2021年10月1日のMaxたにがわ416号の東京駅到着をもって、E4系Maxは定期運行を終了しました。


↑E231系に見送られて。ある日のMaxたにがわ411号。

登場は1997年、東北新幹線へ投入

E4系が登場したのは1997年、現在とは異なる黄色・青色のカラーリングで、東北新幹線のMaxやまびこに投入されました。


↑2006年3月、今は見られない黄色・青色のカラーリング。

1990年代は通勤需要が増え続けていた時期であり、東北・上越新幹線の上り列車は大宮で合流する都合上、増発による対応が難しく、1列車あたりの定員を増やすことが求められていました。

もともとE1系というオール2階建て新幹線が運用されていましたが、さらなる輸送力増強のため、8両編成を2本併結可能なE4系が登場しました。

2編成併結した16両編成時の定員1634名は、高速列車として世界最大を誇っています。


↑2004年3月、盛岡駅にてE2系と並ぶE4系Maxやまびこ。

E4系は8両編成のみでも定員817名であり、E2系10両編成の定員とほぼ同じになっています。

マルチな運用から、上越新幹線へ

2005年にE4系は仙台~盛岡間から撤退し、つばさと併結するMaxやまびこや、上越新幹線にて運用されてきました。


↑2004年3月、スキーシーズンには臨時列車としてガーラ湯沢へ。

MaxとはMulti Amenity eXpressの略であり、その文字どおり多くの役割をマルチにこなしてきた形になります。

その後、東北新幹線においてはE5系の投入により高速化が進められ、最高速度の低いE4系は追い出される形で、2012年頃から上越新幹線のみで運用されるようになりました。

そして2014年頃からはいわゆる朱鷺カラーに変更されました。


↑朱鷺カラーのE4系、高崎駅・東京駅にて。

なお先代のE1系も、2003年頃からのリニューアル時に朱鷺カラーに変更されていました。


↑2004年当時は新旧両方を見ることができました。

晩年まで上越新幹線の主力として活躍

定期運用から退く直前まで、東京~新潟間のMaxときや通勤時間帯のMaxたにがわ等として運用され、最後まで16両編成の姿も見ることができました。


↑16両編成で熊谷を通過するMaxとき321号。

夕方のラッシュ時間帯には、東京駅を17:52、18:16、18:32と連続してMaxたにがわが発車し、多くの通勤客の家路を支えてきました。

引退時期が近づいた2021年3月からは”Thank you! Max!”のロゴを掲出して運行され、各駅でポスターやSNSと連動したキャンペーン等が実施されました。

オール2階建てE4系の特徴

E4系(および先代のE1系)は「輸送力増強」という使命があったため、自由席として使用される1~3号車の2階部分は「3列&3列でリクライニング不可」という、詰込み型のシートが採用されていました。


↑E4系の車内。2階部分には驚異の3列&3列シート、1階部分は3列&2列の標準的なシート。

さらに”通勤”用車両であることを意識した設備として、デッキ部分に「ジャンプシート」という折り畳み式の椅子がありました。

そんな詰め込み仕様のE4系ですが、他の車両に比べてバツグンに快適性が高かったのが、グリーン車です。

グリーン車は7・8号車の2階部分に設定され、特に8号車2階は5列のみ(定員20名)とコンパクトな空間で、とても落ち着いて過ごすことができました。

末期のE4系使用列車(2021年春改正ダイヤ)

引退直前のダイヤでは上越新幹線の下り10本、上り12本に使用されており、各列車の時刻は以下のとおりでした。

※東京駅のカッコ表記は発着番線です。

下り列車
東京(20) 07:04-09:01新潟 Maxとき303号
東京(21) 08:04-09:34越後湯沢 Maxたにがわ403号 16両編成
東京(20) 09:28-11:33新潟 Maxとき313号
東京(21) 12:40-14:48新潟 Maxとき321号 ※越後湯沢まで併結
東京(21) 12:40-13:59越後湯沢 Maxたにがわ321号
東京(21) 16:40-18:47新潟 Maxとき333号
東京(23) 17:40-19:43新潟 Maxとき337号
東京(22) 17:52-19:23越後湯沢 Maxたにがわ407号
東京(20) 18:16-19:45越後湯沢 Maxたにがわ409号
東京(20) 18:32-19:59越後湯沢 Maxたにがわ411号

上り列車
高崎06:53-07:52東京(21) Maxたにがわ474号 16両編成
越後湯沢07:49-09:16東京(20) Maxたにがわ404号
新潟07:19-09:40東京(23) Maxとき306号
新潟10:18-12:28東京(21) Maxとき316号 ※高崎から併結
高崎11:36-12:28東京(21) Maxたにがわ316号
越後湯沢11:30-13:00東京(21) Maxたにがわ410号
新潟14:20-16:28東京(21) Maxとき326号
越後湯沢16:01-17:28東京(23) Maxたにがわ412号
新潟15:37-17:40東京(22) Maxとき330号
新潟20:21-22:28東京(22) Maxとき348号 ※高崎から併結
高崎21:39-22:28東京(22) Maxたにがわ348号
越後湯沢21:41-23:08東京(21) Maxたにがわ416号

※参考 JR東日本ニュース
10月1日上越新幹線「E4系Max編成」定期運行ラストラン!
https://www.jreast.co.jp/press/2021/niigata/20210618_ni01.pdf

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