【キハ40形】北のヨンマル完全引退は延期か?日高本線が最後の牙城に(2025年3月ダイヤ改正)

JR北海道の普通列車として、道内各線どこでも見ることができたキハ40形(通称”北のヨンマル”)は、老朽化により徐々にその数を減らしてきました。

以前は「2024年度末(2025年春)までに定期運用からすべて引退する」と報道されていましたが、2025年3月15日のダイヤ改正では函館地区・千歳線・石勝線・根室本線からの撤退に留まり日高本線と室蘭本線の一部で定期運用が残りました

(初回投稿:2024年2月1日,最終更新:2025年9月27日)


2025年9月時点の運用線区

2025年9月時点で、北海道内でキハ40系が定期運用されているのは以下の線区です。

・日高本線
苫小牧~鵡川 (全列車)

・室蘭本線
苫小牧~追分 (一部列車のみ)
糸井~苫小牧~追分~岩見沢 ※

※ キハ150形で運転の場合が多く、キハ40形は代走の位置付け

↓最後の牙城となった苫小牧地区

2025年春に完全引退…ではなかった?

JR北海道のキハ40形は「2024年度末(2025年春)までに定期運用からすべて引退する」との報道がありましたが、2025年春のダイヤ改正においてJR北海道からは「石勝線(千歳~新夕張)の全列車にH100形を投入してキハ40形・キハ150形を置き換える」との発表があっただけで、他線区での存廃については特に明言されていませんでした。


※JR北海道ホームページより引用
 https://www.jrhokkaido.co.jp/daiya20250315

2025年春のダイヤ改正では石北本線の特急「大雪」の快速列車化によりH100形の運用が増えたこともあり、当初想定していたとおりにキハ40形を置き換えることができなくなったものと思われます。

その他、函館地区では、駅の発車案内等で「さよならキハ40」といった告知がみられたことに加えて、ダイヤ改正後の普通列車の所要時間が数分短縮されており、他車種への置換えが予想可能でした。

その後、一部報道機関から他線区についての情報が出てきたりもしましたが、なんとも公式・確定的な情報がないままダイヤ改正を迎えたのち、3月から6月頃にかけて函館や旭川に配置されていたキハ40形が、廃車回送を兼ねた団体臨時列車として釧路へと送られました。

そして9月になって、JR北海道のYoutube公式チャンネルから「2025年のキハ40〈前編〉【JR北海道】」という動画がアップされ、2025年春のダイヤ改正後に残ったキハ40形は、苫小牧運転所に8両のみであるとの記載がありました。

このような特集動画が出てくるということは・・・次のダイヤ改正でキハ40形に何か大きな動きがあるのかもしれません。

2025春・北のヨンマル「北海道色」が消滅

2025年春のダイヤ改正後、苫小牧運転所に残った8両のキハ40形は、いずれも特別塗装の車両です。

特別塗装は2018年から一部のキハ40形車両に対して施工されたもので、「山明」「紫水」「宗谷色」「国鉄色」「流氷の恵み」「森の恵み」「海の恵み」「花の恵み」の8種類です。

つまり、2025年3月のダイヤ改正をもって、いわゆる北海道色(一般色)の車両が消滅してしまいました。

↓かつてどこでも見られた北海道色(2012年7月@室蘭駅、2011年12月@新十津川駅)

特別塗装の車両の一部は、内装が大きく改造されているものあるため、今回のダイヤ改正が「北のヨンマル」の最期だった・・・とも言えますね。

ところで、苫小牧地区(日高本線)のキハ40形には「日高色」と呼ばれるものが存在していましたが、これは2021年3月のダイヤ改正時に引退済となっています。

↓かつて日高本線で活躍した日高色(2009年9月@静内駅)

2025春・石勝線から撤退

2025年3月15日のダイヤ改正にて、石勝線においてキハ40形の定期運行が終了しました。

石勝線の新夕張~夕張は2019年3月に廃線となり、新夕張~新得は特急列車のみが運行されているため、ダイヤ改正時点で普通列車が運行されているのは千歳~南千歳~新夕張の系統のみとなります。

↓千歳駅で折返し、石勝線へ向かう普通列車(2019年3月)

新千歳空港へ向かう快速エアポートの車内から、千歳駅で折返し停車しているキハ40形の姿を見たことがあるかたも多いのではないでしょうか?

↓新夕張駅に停車中の夕張行き普通列車(2019年3月)

2025春・函館地区などからも撤退

以前、本稿において「函館地区にはH100形の導入実績がなく、キハ150形の数にも限りがあり、キハ54形を転用するとは考えにくいため、キハ40形がしばらく残るのではないか」と予想していましたが、ハズレまして、2025年3月のダイヤ改正にてキハ40形が撤退してしまいました。

※道南いさりび鉄道(函館・五稜郭~木古内)については、キハ40形が活躍を続けています。

↓函館地区のキハ40形(2012年7月・2013年7月)

その他「函館本線(滝川~旭川)」「根室本線(滝川~富良野)」「宗谷本線(旭川~音威子府)」についても、旭川地区へのキハ40形の配置がなくなったため、普通列車の定期運用は終了となりました。

↓富良野駅にて快速「狩勝」滝川行き(2011年12月)

2024春・石北本線と釧網本線から撤退

前年のダイヤ改正(2024年3月16日)では石北本線・釧網本線からキハ40形が撤退し、運用範囲がおおきく狭まりました。

↓石北本線 金華信号場で折返しを行うキハ40形(2017年11月)

↓石北本線 遠軽駅を発車するキハ40形(2022年1月)


2026年春についに全廃か?

次の大きな動きとしては、2026年3月末に留萌本線(深川~石狩沼田)が廃止となり、旭川に在籍するキハ54形の転属が発生します。

さらに、引き続きH100形の導入も進めていくため、次回のダイヤ改正(2026年3月)にてキハ40形の一部が引退するか、一気に全廃となるかもしれません。

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